翌日も雨が降つてゐる。
鍛冶町に借家があるといふのを見に行く。砂地であるのに、道普請に石炭屑を使ふので、薄墨色の水が町を流れてゐる。
借家は町の南側になつてゐる。生垣で囲んだ、相応な屋敷である。庭には石炭屑を敷かないので、綺麗な砂が降る丈の雨を皆吸ひ込んで、濡れたとも見えずにゐる。真中に大きな百日紅の木がある。垣の方に寄つて夾竹桃が五六本立つてゐる。

小説『鶏』より

鷗外全身写真

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森鷗外について

森鷗外

日本近代文学史上に金字塔を打ち立てた文豪森鷗外は、文久2(1862)年、森林太郎として島根県津和野町の代々典医の家に生まれました。幼少から神童と称され、史上最年少19歳で東大医学部を卒業します。
明治32年(1899)年、鷗外37歳のとき、陸軍第十二師団軍医部長として小倉へ転勤を命ぜられます。鷗外は、ここ小倉で明治25年以来手がけていたアンデルセンの『即興詩人』の翻訳を完成させました。また、講義、講演会のほか地元新聞への寄稿など、文化の振興に貢献しました。

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森鷗外旧居ご利用案内

■所在地
〒802-0004 
福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1丁目7-2

■TEL/FAX
093-531-1604

■開館時間
10:00~16:00

■休館日
月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日が休館)
毎月第3木曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
祝日の翌日 
※その日が土日祝日にあたる場合は開館し、
直後の日(日曜・月曜・祝日を除く)を休館日とする。

■入館料
無料

■交通
JR小倉駅より徒歩10分

森鷗外旧居
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